なんか最近ふと気づいた。街も、建物も、服も、白・グレー・ベージュばかり。どれも正解で、失敗しない色。でもその分、どこか似ていて、少しだけ物足りない。英国科学博物館の調査では、100年前には、「多くの色」が存在し、「黒」や「白」「グレー系」の色は全アイテムの約15%にすぎなかったが、現代では、なんと約60%が「黒」「白」「グレー」だったという。理由はシンプルで、「誰にでも受け入れられる色」の方が売りやすいからだとか。つまり世界は、“嫌われない色”を選び続けた結果、少しずつグレーに近づいている。でもそんな中で、アールブリュットの作品を見ると、ふっと感覚が戻る。こんな色、あったな。こんな組み合わせ、好きだったなって。誰かの正解じゃなくて、ただ「自分の中にある色」で描かれているからこそ、あの自由さが生まれるんだと思う。グレーになっていく世界に、少しだけ加色を。正解の色じゃなくて、“わたしの色”を選び直す。アールブリュットは、その色彩に目を奪われる人が多い。それは私たちの日常がグレーになっているからなのかもしれない。日常に色を加える、そんなきっかけをくれるのが、アールブリュット。