ここ数年で、賛否はともかくとして「障害者アート」という表現は社会に一定の認知が広がり、これまで知られていなかった作品やアーティストに光が当たることで、その言葉は一つの役割を果たしてきたと感じますその道は、決して自然に開かれたものではありませんアーティストやご家族、支援者をはじめ、さまざまな方々が長い時間をかけて活動を続け、社会へ働きかけてきたからこそ、今日の広がりがありますその先人方の積み重ねがあったからこそ、スケッチグラムも活動を始めることができました道を切り開いてこられた皆さまに、心から敬意を払い、感謝申し上げますこれまでスケッチグラムでは、活動の背景や社会的な意義を多くの方に知っていただくために、便宜上「障害者アート」という表現を用いることがありましたしかし、私たちはこれまでも、「障害がある」「障害がない」という区別によって、アーティストや作品を評価してきたことはありません人は誰もが異なる特性や背景を持っています「障害がある人」と「障害がない人」を明確に線引きすることは簡単ではなく、診断の有無だけで、その人の可能性や創造性を語ることもできません一方で、障害を「個性」という言葉だけで置き換えたり、存在しないものとして扱ったりするつもりもありません障害は障害として受け止め、必要な配慮や支援には、きちんと向き合うそのうえで、障害だけをその人のすべてとせず、作品の価値や創造性を診断名で判断しないことが大切だと考えています私たちが見ているのは、肩書きや診断名ではなく、その人が生み出す表現ですそして、この考えをより強く持つきっかけとなったのが、海外のアーティストとの出会いでしたスケッチグラムには現在、海外のアーティストにも参加していただいていますその交流を通じて、世界には「障害がある人のアート」という分類よりも、一人のアーティストとして作品そのものを尊重する考え方が広く根付いていることを、あらためて実感しましたもちろん、国や地域によって文化や制度は異なりますし、創造性は国境や診断名に縛られるものではありません私たちも世界的な視点を取り入れながら、アーティストと作品のあり方を考えていきたいと思っています「障害者アート」という言葉によって認知を広げる段階から、障害の有無を越えて、一人ひとりの表現そのものと向き合う段階へ今後、スケッチグラムでは、本来の意味での「アール・ブリュット(Art Brut)」や、多様な背景や特性を持つ表現者を示す「多様性アーティスト」という表現を積極的に用いていきますこれまで道を切り開いてこられた方々への敬意と感謝を忘れず、そして世界中のアーティストとともに学びながら、スケッチグラムはこれからも、作品と創造性を軸に、人と社会をつないでいきます