50歳の頃、趣味として絵を描き始め、54歳から本格的に制作に向き合うようになる。水彩を中心に、薔薇や猫、鹿、犬などの動物、人と動物が寄り添う姿を描く。透明感のある水彩のにじみと、ピンク、ブルー、グリーン、イエローなどの鮮やかな色彩を重ねながら、一つひとつの存在に豊かな表情を与えていく。kaoの作品に繰り返し現れるのは、「やさしさ」と「寄り添うこと」。大きな瞳でこちらを見つめる動物たち、花に囲まれた猫や鹿、少女と動物が身を寄せ合う姿。そして「Don't cry」「nothing is impossible」「Let's be happy」といった言葉。そこには、ただ明るい世界を描こうとするのではなく、自身が感じてきた悲しみや辛さを、誰かを包み込む色へと変えていこうとする姿勢がある。柔らかな水彩表現の中に、ときに強い輪郭や大胆な色を差し込み、写実とイラストレーションの間を自由に行き来する。その振れ幅もまた、kaoの作品の特徴となっている。「絵は私にとって、生きること。」その言葉のように、感情を色へ、痛みをやさしさへと変えながら描き続ける。kaoの作品に息づいているのは、どんなときにも誰かの隣にそっと存在しようとする、あたたかな生命のまなざしである。