「気分転換に描いてみない?模様描くだけだよ。」大学卒業を目前に体調を崩した私に、友人がそう声をかけてくれたのが、絵との出会いでした。それまで絵を描くことに苦手意識があった私は戸惑いながらも、リュックに入っていたルーズリーフとボールペンで模様を描きはじめました。気がつけば夢中になっていて、不安でいっぱいだった日々に小さな光が差し込んだ瞬間でした。その後、コロナ禍の中で社会人となり、孤独な毎日を過ごすなかでも、模様を描くことが私の心を支え続けました。やがて限界を迎え、休職することになりましたが、描くことだけは手放しませんでした。模様は白黒からカラフルに、そして少しずつ生き物や風景へと変化していきました。それはまるで、私自身の心の色が取り戻されていくような時間でした。今では、描くことは私にとって社会とつながるための大切な手段です。絵を通してたくさんの出会いや温かい言葉に恵まれ、少しずつ前を向けるようになりました。これからも感謝の気持ちを忘れずに、私の好きな模様や形、生き物たちを描き続けていきたいと思っています。作品を通して、私の空想の世界を少しだけのぞいていただけたら嬉しいです。