写真を前にすると、彼の世界は一気に静まり返る。驚くほどの集中力でサインペンと色鉛筆を走らせ、まるで“画面と一体化”するように描き続ける。彼の描き方は、対象を大きく捉えるのではなく、細部をひとつずつ切り取ってつなぎ合わせていく独自のスタイル。目の前の色、質感、光の落ち方——そのすべてを一点一点丁寧に拾い上げるように描き込んでいくため、線にも色にも驚くほどの密度が宿る。特に色鉛筆の筆圧は驚異的。紙に刻まれるような強いタッチは、力強さと迫力をそのまま作品へと変換し、見る者を圧倒する存在感を生み出している。本格的に絵を描き始めてまだわずか1年半。それでも完成した作品には、経験年数では語れない、観察力と熱量、そして揺るぎない“目の力”がある。一枚の絵が完成するたびに、彼の中で何かが静かに積み上がっていく。これからの成長を想像するだけで胸が高鳴る——そんなアーティストである。その他の作品は限定公開していますのでお問い合わせください