2021年生まれ。自閉症があり、現在も発語はありませんが、彼の内に広がる世界はとても色鮮やかです。1歳の頃から数字やアルファベットに強く惹かれ、日々それらを並べて遊ぶうちに、自然と色やかたちに対する感性が育まれていきました。カラフルなものが大好きで、お絵描きは毎日の大切なルーティーン。3歳2ヶ月頃からは、数字や文字、図形をモチーフに、自分のリズムで描くようになりました。やがてiPadを手にするようになると、その表現はさらに自由に。色と形を自在に操り、独創的でのびのびとした構成の中に、彼ならではの世界が広がっていきます。発語がない分、絵が彼の「声」となり、「心のことば」として私たちに語りかけてくれているように感じます。一見シンプルに見える数字やアルファベットも、彼の手にかかれば、感情をまとったアートへと生まれ変わります。彼の作品は、静かでまっすぐな思いを私たちに届けてくれる、かけがえのないメッセージです。