手の中にある、小さな表現アートは大きなキャンバスの中にあるもの。そう思われがちですが、本来はもっと自由で、もっと身近な存在です。その象徴のひとつが、扇子というプロダクト。手のひらの中でひらき、風とともに表情を変えるその動きは、まさに「持ち運べるアート」と言えます。アールブリュットと“余白”アールブリュットの魅力は、整いすぎない線や色、そして偶然性にあります。扇子という形状は、放射状に広がる構造によってその表現をさらに引き立てます。開いた瞬間、一本の線や色の流れが扇状に展開され、静止した作品とは違う“時間性”が生まれる。それは、観るだけではなく、「動きの中で感じるアート」です。なぜ扇子なのか扇子は、日本の文化に根ざした道具でありながら、日常に自然と溶け込む存在です。・暑さをやわらげる・所作としての美しさを持つ・持ち歩きやすいその機能に、アートが重なることで、単なる実用品から「表現の道具」へと変わります。使うたびに、自分の感覚を少しだけ取り戻す。そんな体験をつくります。日常に、余白を忙しい日々の中で、私たちはつい“余白”を失いがちです。扇子をひらくという行為は、ほんの一瞬、時間をゆるめる動きでもあります。その中にアートがあることで、ただ涼むだけではなく、感覚を整える時間へと変わっていく。アートは、もっと自由でいい飾るだけではなく、持ち歩き、使い、感じる。アートはもっと自由でいい。一振りの扇子が、日常に小さな変化を生み出し、世界の見え方を少しだけやわらげていく。そんな存在になることを、願っています。